2012/06/14

Florida Keys 釣行② ~シルバーキング~



今回の旅の大きな目標はTarponを釣ること。

去年のカンクン釣行でBaby Tarponを仕留めてから、自分の中で次の目標としてずっと大きな存在だったシルバーキング。

フライの技術、知識はまだまだだが、気持ちは準備OK。

年末から旅の準備を始め、ガイドもターポンを釣らせてくれそうな優秀なガイドをネットで検索。

結果、いろいろあってたどり着いたのがキャプテンDrew Moret。

トーナメントでも活躍し、Islamoradaにあるフライショップ、Florida Keys Outfittersオーナーで、レジェンドとも言われているSandy Moretさんの息子というのは後で知ったが、結局釣果を左右するのは自分の腕。



で、いよいよDrewとの釣行1日目。

まず最初に行ったのは、ラグーンサイドのとあるスポット。

着いてみると、ターポンがあちこちでローリングしているのが見え、気持ちが高まります。

が、グラスがいっぱい浮いてて釣りにならず・・・

その後ポイントを何度か移動して辿り着いたのが大西洋側のポイント。

杉坂研二さんの釣行記事を見て、この釣りがどんなに難しいものか覚悟はしていましたが、実際、その通りでした。

ターポンの進む方向、速度、風の強さと向き、そしてフライをキャストするタイミングと落とす位置、リトリーブの仕方、全てを見極めて上手くキャストできたとしても、ターポンがバイトするという保証なし。

そしてバイトしたとしても、最初のフッキング(初日はココで大きなミスを犯した)、最初のジャンプ、でフックが外れることも多い。


実際にガイド曰く、大西洋側のターポンは産卵のため南下しているから食い気が少くて良いところに投げても食べない。何度か投げてようやくヒットするから粘り強くキャストするんだ。
とのこと。

実際、何度かフライを見ることはあったものの、食らいつくまでには至らず。

この後、何度か場所を移動してみるが、一度だけフライを食べる寸前まで追ってきたことがあったのみでこの日の釣りは終了。

で、残り一日となってしまった。。。


が・・・


希望はあった。

Drewから、
「明日、恐らくワームハッチ(バチ抜け)があるが昼に一度釣りを中断して、3時ごろから再び釣るパターンもアリだがどうする?」
と言われていたのです。

行かない訳にはいきません。

ワームハッチがあるのは年に3回程度。それぞれ3日間程度なので、年間で10日もチャンスがありません。

自分の頭の中には、ボイルするターポンの中にフライを投げ入れ爆釣するイメージでいっぱい(笑)


それで迎えた釣り最終日の朝。


曇っててサイトフィッシングには最悪の条件(汗)


海底が白くて比較的見やすいポイントを攻めてみたものの、ターポンの存在に気づくのが遅くてボート近くになってしまうため、フライを投げる頃にはこちらの存在に気づかれスプークされるパターン(汗)

結局午前中はいい釣りが出来ずに終了。


そして3時に再び出航。

 
今度は天気は完璧


で、ワームハッチポイントに移動。
しばらくすると、ワームハッチの時に見られるターポンのジャンプが発生しだすが、周りにPaloloワームの姿はなし。
空が曇りだし、ターポンのローリングを頼りにワームフライをキャストするものの、ターポンがボート近くに現れるのは散発的でどうもバチ抜けの釣りのイメージには程遠い(汗)
普通にターポンをサイトで見つけ、通常の釣りと全く同じように進行方向手前に上手く落とさないと釣りになりません。実際、他にも5艇ほどターポン狙いの船が居ましたが誰も釣れていない。


その後、Drewが連れのガイドに電話してワームハッチしている別のポイントに移動。
すると、ターポンのローリングがあちこちで発生中。
ボイルしている中にフライを投げ入れて爆釣のイメージは大きな勘違いであったことに気づくが、とにかくこれがラストチャンス。

Drewがターポンを見つけ、その進行方向に合わせてボートを移動、そしてフライキャスト、を何度か繰り返しているうちに・・・

来ました! 
ロッド: Sage Xi2 11wt
リール: Tibor Riptide
クラスティペット: 20lb
ショックリーダー: 50lb



完璧なフッキング。
これは運が良かったとしか言えません。
その後のジャンプでもガッチリとターポン君を捕らえたまま。

Tibor Riptideのドラグ音が断続的に聞こえて来た時に、

「ついにやった~~~~~!」

と待ち焦がれていた瞬間が、今自分に発生していることを実感。

バッキングラインがどんどん出て行き暫し快感に浸っていたものの、キャパシティが小さいRiptideでは不安になる。

ダイニーマのラインで通常よりは多く巻いているものの、ラインが出て行く速度が尋常ではない(汗)

なのでボート始動しライン回収しつつファイトすること20分。

無事にラインがロッド先端のガイドに通ったことを確認し、無事にターポンキャッチ認定。


この時点でDrewがお腹の大きくなってるメスであることを確認。長さの割には重くて推定110lb近くあるかもしれない、とのこと。

しかしターポンの本領発揮はこれからでした。

ボート際まで来ると、人の存在に気づくためか、そこから再びフルパワーで走りだします。

その後さらに30分近くやり取りしましたが、カジキ釣りなどで使うあの腰につけるロッドホルダー/ハーネスが欲しくなりました。釣りでお腹が痛くなったのは初めて(笑)

で、当初はターポンを引き寄せて最終的に一緒に写真を撮るつもりでしたが、1時間ほどの格闘中、なぜだか満足感でいっぱいになり、いつの間にか自分の中で釣りを終わらせる選択をしていました。

何度か強めたドラグを更に締め、Lamson Litespeedでは不可能なくらい硬く。

そうして強引にボート脇に寄せると、Drewがターポンを掴む前に50lbのショックリーダーが切れました。

20lbのクラスティペットではなく、50lbのリーダーが切れた、ということは、1時間の格闘の中でショックリーダーもかなり傷んでいたということです。
実際、ターポンとやり取りしながら大きくしなるロッドを見て、

「こりゃ、中途半端なロッドじゃ太刀打ちできずに途中で折れるな」

と思ったものです。

また100lbオーバーになると、実際、自分のような素人には50lbリーダーではなく80lb以上必要だと思われます。太くなると見切られるリスクもありますが、そこはお金を掛けてフロロを用意するなどすれば良いでしょう。

とにかく、ターポン側としてはラインを残さずフックだけ残して切れる理想のパターン。
これでフロリダ・キーズの釣行が完了でした。


今回の釣行後、自分の中で大きな目標だったターポンを仕留めたことでちょっと気持ちに余裕が生まれました。ちょっと言葉では言い表しにくいですが、今後トラウトやバスなどのFFでもゆとりをもっと望めるというか、心のどこかで突っ張っていたものがフッとなくなった感じ。
そして色々と学ぶものもありました。
次のチャンスはいつになるか分かりませんが、いつか再びフロリダに戻ってシルバーキングにもう一度臨むか、もしくはどこかでパーミットに挑戦しているか・・・


次はサンクスギビングのサウスパドレアイランドで再びターポンに出会える、かも。


Happy Fly Fishing